首都リスボンエヴォラから一五〇キロ

2011.07.13

首都リスボンエヴォラから一五〇キロ。高速道路はテージョ川を跨ぐ「四月二五日大橋」にさしかかった。四月二五日大橋は、ふたつの塔で支えられている全長二二二七メートルの、ヨーロッパ最長の吊り橋である。一九六六年八月、時の宰相サラザールの名をとり「サラザール大橋」として開通したが、一九七四年四月二五日に独裁体制が崩滅するや、革命の日に因んで現在の名に改められた。アクセルを踏みこむ。横からの風がやや強くなり車が小刻みに震えはじめた瞬間、対岸のリスボンの町が見えはじめた。それは、ちょうど、映画の大きなスクリーンの中に走りこんでいくような感じで、遠くのひと塊になっている、白い壁のビルや家屋といった風景が次第に大きくなってくるのだ。ヨーロッパ大陸の西の端の都市、リスボンにやって来たという感激と嬉しさで、ハンドルの動きも軽くなったように思える。それにしてもテージョ川の雄大なことよ。スペインのマドリッドよりはるか彼方を源としているこの川は、リスボンへ来て大きく膨らむ。広いところでは幅が一五キロにもなる。