小児期の肥満のほとんどは、運動による消費カロリーの不足に対して、スナック菓子やチョコレートをはじめとする高カロリーのおやつ、ハンバーグなどの欧米化された食生活にあるといっていいでしょう。よく「お父さんに似て」とか「お母さんに似て」などと言ってすませている方がいらっしゃいますが、『肥満の背景にあるもの』でもご紹介した通り、遺伝による肥満はごく少数です。もちろん、肥満は全身に脂肪がつくということですから、子供にとっても深刻な問題です。たとえば肺や横隔膜、胸などに脂肪がついてしまうと、呼吸運動をする筋肉の妨げになってしまいますから、それに伴って酸素と二酸化炭素の入れ換えがスムーズにいかなくなってしまいます。脳の活動に酸素は必要不可欠ですから、酸素が不足してしまうと、集中力が散漫になったり、勉強をしてもすぐに疲れてしまうなどの症状があらわれたりします。また、ハンバーグ、フライドチキン、フライトポテトなど子供たちの大好物と言われるメニューを並べてみると、そのカロリーもさることながら、脂肪分の摂り過ぎであることも分かります。これでは子供たちの肥満にどんどん拍車をかけてしまいますし、その副産物としてさまざまな疾病を引き起こすことにもなりかねません。近年増加の傾向にある子供たちの肥満は、運動機能の低下や肺機能の低下だけではなく、小児性高血圧、小児糖尿病、高コレステロール症など、大人さながらの病気を引き起こすきっかけにもなっているのです。元気に外を駆け回ることの少なくなった現代の子供たちは、ただでさえすぐに疲れたり、座りたがったり、虚弱体質気味だと言われているのに、さらに高血圧や糖尿病に悩まされてしまつたのでは、これからの長い将来が心配になってしまいます。家庭の台所をあずかるお母さんとして、家族の健康を考えた献立を考えるようにしてください。