マダムも悠然と微笑みながら、「そうね、私もこれいいと思う。私の目の色にぴったり。いただくわ」と何だか楽しそうな雰囲気。ふうん、みんなはっきりしているのね、自分の欲しいものがすぐわかるんだわ、迷わないんだ!そう思った時、私はもう居ても立ってもいられなくなった。すぐ家へ引き返して、持っている服を全部出し、よく見直してみたくなった。そして同時に思い出しだのが、おしゃれなアンジェラ(仮名)のことだった。アンジェラ(仮名)は、十歳も年下の建築家の卵で、まだ言葉も通じない時に知り合った。こがらなぜか最初から不思議と波長が合うこの小柄なイタリア人の友人に手伝ってもらおうと思ったのだ。居間のソファやテーブルの上いっぱいに服が積み重なり、しなだれ落ちかかっている、黒やグレー、ピンク、赤、紫、ブルー。好みの色は決まっていると思っていたのに、こうして自分の服を一時に見ると、なんともばらばらでとりとめがない。