配転、出向はとこまで強制できるか

2011.08.22

業務上の必然性が問われる就業規則には「業務の都合により配置転換をする場合がある」という条文があるのが普通で、これが労働者を配置転換をすることの根拠になっているといえます。とはいえ、使用者は労働者に配置転換命令で配置転換を強制できるときもあればできないときもあります。まず配世転換ができるのは、就業規則に「業務の都合により」と定められているように、「業務上の必然性がある」ことが求められます。つまり、就業規則の定めは単なる文言ではなく、実際にその配置転換が業務上の必然性からくることが前提になるわけです。その一方で、従業員の側に「正当な事由」があれば配置転換命令を拒否することができます。正当な事由とは、個々の従業員の事情や程度などに微妙な問題があるので、判例や社会通念上の妥当性から慎重に判断する必要があります。考えられるものとしては、第一に健康上の事由があります。第二には、家庭の事情があるでしょう。家庭の事情といっても、共稼ぎの妻の仕事や子供の学校などの都合が配転拒否の事由にはならないことはいうまでもありません。第三に、配転先の仕事内容がきわめて不向きであるという場合も正当な事由にあてはまります。体力や性格など幅広い観点で、不向きの程度が著しい場合は配置転換を強制することはできないでしょう。配置転換には、職場内での部署の転換や職種の転換、あるいは同一社内でも異なる地城への転換などがありますが、社外への転換もあります。これが「出向」です。出向は、当初の労働契約とは異なる人事によって管理監督されるわけですから、社内における配転と追って本人に対する影響の度合いもはるかに大きいものです。そこで、出向についても就業規則に「出向させることができる」という一文を設けたり、別に出向規程を作成している企業もあります。